京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート

フィールドワーク・レポート

フィールドワーク・レポートは、附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センターが実施している「エクスプロ―ラー・プログラム」の成果です。大学院生は、このプログラムの下で、それぞれの研究対象地域において臨地研究(フィールドワーク)に従事して、地域で起きている新たな事象をみずから発見し、それを探求することによって、研究として深化させてきました。そういった知見の第一報がフィールドワーク・レポートであり、現場で得られた新鮮な感覚にあふれています。

ケニアの都市零細商人による場所性の構築過程に関する人類学的研究――簡易食堂を事例に――

対象とする問題の概要  ケニアでは2020年に都市人口の成長率が4%を超えた。膨張するナイロビの人口の食料供給を賄うのは、その大半が路上で食品の販売を行う行商人などのインフォーマルな零細業者である。その中でも、簡易な小屋のなかで営業されるキ…

20世紀前半のケニアにおけるキリスト教宣教団による聖書翻訳

対象とする問題の概要  20世紀前半のケニアにおけるキリスト教宣教団の活動は教育や医療など非常に多岐に渡った。そのなかでも聖書をケニアに存在する様々なローカル言語へ翻訳する試みは重要な活動の1つであったと考えられる。マタイによる福音書に「そ…

キャッサバ利用の変化と嗜好性からみるタンザニアの食の動態

対象とする問題の概要  キャッサバは中南米原産の根菜作物であり、現在世界中でさまざまに加工・調理され食べられている。タンザニアでもキャッサバはトウモロコシやコメとならんで最も重要な主食食材の1つである。キャッサバを主食としていない地域でも、…

タンザニア半乾燥地域における混交林の形成と利用に関する生態人類学的研究

対象とする問題の概要  市場経済の影響を強く受けるようになったタンザニアの農村では、現金収入を目的とした農地開発が林の荒廃を加速させている。森林面積減少の深刻化を受け、これまでに多くの植林事業がタンザニア各地で実施されてきたが、複雑な土地利…

エチオピア地方都市における保健普及員の活動と住民の行動変容

対象とする問題の概要  アルバミンチ市は、エチオピア南西部に位置し、地方あるいは郊外から人びとが流入し、年々人口が増加している地方都市である。道路の整備や拡充、小学校から大学・専門学校までの教育施設の整備、観光地化が著しく、街が市街地へ拡大…

2022年度 成果出版

2022年度における成果として『臨地 2022』が出版されました。PDF版をご希望の方は支援室までお問い合わせください。 書名『臨地 2022』院⽣臨地調査報告書(本文,12.5MB)ISBN:978-4-905518-39-6 発⾏者京都…

ナミビア・ヒンバ社会における「伝統的」及び「近代的」装いの実態

対象とする問題の概要  本研究は、ナミビア北西部クネネ州(旧カオコランド)に居住するヒンバ社会の「伝統的」及び「近代的」装いを記述するものである。ヒンバはナミビアの代表的な民族であり、しばしば美化されたアフリカのアイコンとして描かれる。腰に…

ケニア沿岸部における少数民族ワアタの現状――ゾウの狩猟と保全のはざまで――

対象とする問題の概要  ケニア沿岸地域には、元狩猟採集民の少数民族ワアタが点在して居住している。彼らはエチオピア南部のオロモ社会を起源とするクシ語系の民族で、ケニア沿岸地域の先住民族だと言われている。彼らは狩猟採集民であったため、野生動物の…