
インドネシア・ロカン川河口域における地形変化による生業変化
対象とする問題の概要 研究対象地域はインドネシア・スマトラ島東海岸のロカン川河口域であり、同地域は1930年代のオランダ統治時代に、ノルウェーに次ぐ世界第2位の漁獲量を誇るインドネシア最大の漁獲地であった。しかし、1970年代以降、漁獲量...
タイ西北部における戦争記憶の構築とその継承過程
対象とする問題の概要 社会学の対象としての戦争の問題系には、(A)軍隊や戦争に関する本質論的なテーマ、(B)戦争体験、(C)戦争記憶がある [野上 2011]。本研究で扱うのは、後者二つである。これらのテーマにおいては、戦争の当事者、つま...
インド農村部におけるウシ飼養から考察する人と家畜の関係性
対象とする問題の概要 インドにおけるウシ飼育は、酪農、畜産の面からも長い歴史を持っている。人々は、家畜を飼育し、それらを利用することで生計を営んできた。現在のインドにおいて、ウシは特にミルクを生産する動物として非常に重要な役割を果たしてい...
イスラーム経済におけるモラリティの理念と実践――マレーシアを事例として――
対象とする問題の概要 現代マレーシアは、1980年代以降、政府の強力なイニシアティブを背景に、イスラーム金融先進国としての道を歩んできた。一方、イスラーム経済の中での金融分野への過度な関心の集中は、イスラームの理念からの乖離として批判の対...
セネガル漁村における水産物利用と流通――零細水産アクターの働きに着目して――
対象とする問題の概要 世界的な人口増加に伴う水産物需要の高まりは、水産物の輸出拡大を促進し、水産資源の枯渇とも相まって、産地社会における水産物の稀少化を招いている。特に、人口増加が著しいアフリカ地域では、砂漠化による農地や牧畜可能な土地が...
植民地ケニアにおけるオーストラリア人女性宣教師
対象とする問題の概要 キリスト教は成立の初めから、「宣教的宗教」として[戸田2016]、普遍的な「神の言葉」である聖書を、言語や文化、民族の境界を越えて伝えるよう求めてきた。特に19世紀以降、宣教師が世界のあらゆる場所へ赴くようになったこ...
大学院生によるフィールドワーク・レポート
ミャンマーの輸出向け縫製産業における企業の参入と退出の分析――コロナ禍・クーデター前後の比較――
対象とする問題の概要 本研究が分析の対象とするミャンマーでは、衣類の生産における裁断・縫製・梱包などの工程を担う縫製産業が主要な輸出産業であり、近年は総輸出額の3割程度を衣類が占める。ミャンマーのような後発国の豊富で低廉な労働力は、縫製産…
国家が作るインド料理――IHMムンバイ校にみる調理教育と標準的インド料理の形成――
対象とする問題の概要 本研究が対象とするのは、多様な宗教・階層・地域に根ざすインドの料理文化が国家主導の近代的な教育制度のもとでいかに「インド料理」として標準化・再構築されているのかという問題である[Appadurai 1988]。インド…
フィールドワーク・レポートは当センターが実施している「エクスプロ―ラー・プログラム」の成果です。院⽣が、それぞれの研究対象地域において臨地研究に従事して、地域で起きている新たな事象を探求することによって、研究をより深化させることを⽬的としています。