京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート

フィールドワーク・レポート

フィールドワーク・レポートは、附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センターが実施している「エクスプロ―ラー・プログラム」の成果です。大学院生は、このプログラムの下で、それぞれの研究対象地域において臨地研究(フィールドワーク)に従事して、地域で起きている新たな事象をみずから発見し、それを探求することによって、研究として深化させてきました。そういった知見の第一報がフィールドワーク・レポートであり、現場で得られた新鮮な感覚にあふれています。

開発がもたらした若年層の価値観の変化について―インド・ヒマーラヤ ラダックを事例に―

対象とする問題の概要  ラダックはインド最北部に位置する、4000m-8000m級の山々に囲まれた高標高、乾燥地帯である。このような地理的特徴から、ラダックに住む人々は伝統的に、互いに協力し合い、自然資源や動物資源を持続可能な形で利用し生活…

タンザニアの稲作農村でみられた生産資源のアフリカ的集約化について

対象とする問題の概要  アフリカの経済が急速に成長する裏側で、農村の生活もまた市場経済の動きに巻き込まれ、農村の不安定化、生態環境の劣化、経済格差の拡大など、人々の生存基盤を脅かす深刻な問題が進行している。こうした課題を克服するために、アフ…

高山地帯に生息するユキヒョウ(Panthera unica)の家畜襲撃によって生じる地元民との軋轢に関する研究

対象とする問題の概要  ネパールでは、肉食動物による家畜襲撃が問題となっている。特にIUCNレッドリストで危急種に指定されているユキヒョウによる“マスキリング”(家畜の大量殺戮)が起こることで、被害は大きく、地元民との軋轢を深刻化させている…

駅がアフリカにもたらす近代都市経験――ガーナ・クマシの事例研究――

対象とする問題の概要  クマシはガーナ共和国内陸部アシャンティ州に位置する、同国第二の人口を有する都市である。クマシは17世紀以来アサンテ王国の首都として発展してきたが、沿岸部を植民地化した大英帝国との競争に敗れ、1896年に英領ゴールドコ…

ヒマーラヤ高地における景観の人類学的研究

対象とする問題の概要  地球規模の環境問題が科学的かつ政治的に議論を呼ぶ事実となるなか、ヒマーラヤ高地は周極地域とならんで、気候変動の影響がとりわけ深刻に現れる場所であることがしばしば指摘される。しかし、この「新たなヒマーラヤの危機」をめぐ…

ブータン農村開発における教育普及と今後

対象とする問題の概要  ブータンの国家政策において、初等教育の量的拡大は重要政策の一つと位置付けられてきた。国土の多くが山々に拒まれた地形であるが、それぞれの農村に小規模な学校を設置して教育機会を保障しようと努めてきた歴史を有する。このよう…

現代インド料理における伝統と地域性――ムンバイファインダイニング「Masque」を事例として――

対象とする問題の概要  インドではさまざまな食に関する規制が存在する。特に不浄観から低カーストからの食物のやり取りを拒絶する習慣や、信仰に根差した特定の食品へのタブーなどがある。そのため、レストランや大衆食堂で外食をするという習慣は一般的で…