イブン・アラビー学派の思想史的展開――前近代インドを中心に――
対象とする問題の概要 私はスーフィズム(イスラーム神秘主義)、特に16,17世紀南アジアで活躍したMuḥibb Allāh Ilāhābādī (ムヒッブラー・イラーハーバーディー)(1587/88-1648)のイスラーム神秘主義思想を研…
カメルーン南部州のエボロワの近郊にある調査地では、政府、国際機関、日本の援助機関が森林保全、住民の現金収入の増加を目的にキャッサバ・プロジェクトを実施し、キャッサバの生産・加工の商業化を促進するため、多収で耐病性のある改良品種の普及、加工施設の建設を行なってきた。プロジェクトは一部の住民に恩恵をもたらしたが、親族集団間での不平等な利益分配、キャッサバの品種に対する住民の嗜好といった問題も引き起こした。
研究目的は住民生活への農業の商業化の影響、プロジェクトに対する住民の反応、プロジェクトの実施過程で生じる問題を明らかにすることで、キャッサバの品種に対する住民の認識、キャッサバの加工をめぐる住民の関係に着目した。キャッサバの品種に対する住民の嗜好・利用を知るために、キャッサバ改良品種を受け取った26人の住民に聞き取り調査を行ない、また、他人のキャッサバでウォーターフフ(写真)という加工品を作る若い男性の仕事から誰が恩恵を受けているかを知るために、その仕事を観察した。
親族集団Aに属するこの若い男性はウォーターフフを作るために親族集団Aからのみキャッサバを購入するが、自身の商売のためには、親族集団Aとの関係が悪い親族集団Bの労働者を多く雇用する。親族集団Aの多くはキャッサバ改良品種と大きなキャッサバ畑をもっているため、彼はもっぱら親族集団Aからキャッサバを購入する。また、自身の親族集団Aが妬んで仕事を手伝ってくれず、親族集団Bの労働者を多く雇っている。親族集団Aの社会内には多くの相互扶助活動が存在するが、親族の成功を望まない者に妬まれることもある。 また、住民のキャッサバへの認識を調べたところ、芋・葉の多収性と味、耐病性、芋の筋の少なさという利点から92/0326というキャッサバ改良品種を好むことがわかった。他の2つのキャッサバ改良品種は、芋が苦く、筋を多く含むため、あまり好まれない。
さらなる研究のためには、キャッサバの品種の認識・利用に関する地方市場のキャッサバ転売者への聞き取り、若い男性のウォーターフフを購入して加工・販売する人々を含むキャッサバ加工業者の仕事の参与観察による調査が重要である。
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