京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート/アフリカ地域研究専攻

ルサカ市周縁の未計画居住区における生活用水の糞便汚染実態の調査と解明

対象とする問題の概要  国際連合の持続可能な開発目標(SDGs)の目標6 において、すべての人が安全な水と衛生的な環境にアクセスできるようにすることが掲げられている。全世界において、下痢は、死亡数の2.7%を占める死亡要因であり、特に、5歳…

アフリカの都市若年貧困層の政治意識についての研究

対象とする問題の概要  本研究では、近年のザンビアが、アフリカでは例外的に政治的暴力を経験しなかった要因について、暴力の潜在的行使主体となりやすい若年貧困層の政治への認識と行動の分析を通じて考究する。アフリカ諸国は1990年代に相次いで一党…

ソマリ語歴史叙述の展開

対象とする問題の概要  ソマリ語の正書法が1972年に制定されて以降、現在に至るまで約50年間にわたって、ソマリ語での著述がなされてきた。しかし、ソマリアは1991年に内戦によって国家崩壊をきたし、現在に至るまでその政治状況が回復していない…

教会における女性牧師の位置づけ――ナミビア福音ルーテル教会(ELCIN)を事例に――

対象とする問題の概要  宗教の現場で起こっているジェンダーの問題は多種多様であるが、最も歴史が長く、最も根本的なものは「女性は聖職者になる資格を有するか」という問いであり、「聖職者のほとんどは男性」という状況が今日まで続いている [薄井 2…

マダガスカル熱帯林における種子散布ネットワーク構造と散布者の絶滅による影響評価

対象とする問題の概要  熱帯林生態系において、種子散布は重要な生態学的プロセスである。現在、種子散布者となる多くの動物が絶滅の危機に瀕しており、森林更新機能への深刻な影響が懸念されている。そこで、種子散布を通した動植物間相互作用のネットワー…

ソマリ語による歴史的知識の生産――ケニア内ソマリ人を事例として――

対象とする問題の概要  元来、ソマリ人はアフリカの北東地域に国境をまたがって広く住んでおり、ソマリアの独立前後より、こうしたソマリア国外のソマリ人居住地域をソマリアへ併合する政治運動が、ソマリア内外で盛んとなっていた。しかし、1991年に国…

ポスト狩猟採集社会におけるフォーマル教育とノンフォーマル教育の接続の実態

対象とする問題の概要  ボツワナ共和国(以下、ボツワナ)は、圧倒的多数派民族であるツワナを中心とした統合政策のもとに発展した。こうした国民国家形成の普及を実質的に担う学校教育もまた、ツワナの文化・社会システムを中心としたカリキュラムを採用し…

ガーナの手織り布ケンテのグローバル市場における可能性の探求――博士予備論文執筆にむけた予備調査報告――

対象とする問題の概要  報告者は、アフリカのローカルな経済圏の中にある手工芸品が、グローバル市場で流通することで広がる可能性の探求を目指す。具体的には、ガーナの「ケンテ」という精巧に織り上げられた手織りの布を対象にする。そしてこの布のグロー…

カメルーン北部・ンガウンデレにおけるウシの交易――ウシ商人の商慣行に着目して――

対象とする問題の概要  カメルーンを含む中部・西アフリカのなかでウシは重要な動産である。特にウシの交易は極めて大きな経済規模をもっている。18世紀から19世紀に、牧畜民フルベがこの地域のイスラーム国家建設の主体として立ち上がった背景には、人…

海と共に生きる人々――セネガル沿岸部における海産物利用と浜仕事の現状――

対象とする問題の概要  セネガル国は年間約40万トンの水揚げ量を誇るアフリカ有数の水産国であり、水産業は同国のGDPの約11%を占める重要な産業である。同国の総人口に対して15%を占める零細漁業者は、木造船を用いて漁を行う。同国では動物性た…