京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート

フィールドワーク・レポート

フィールドワーク・レポートは、附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センターが実施している「エクスプロ―ラー・プログラム」の成果です。大学院生は、このプログラムの下で、それぞれの研究対象地域において臨地研究(フィールドワーク)に従事して、地域で起きている新たな事象をみずから発見し、それを探求することによって、研究として深化させてきました。そういった知見の第一報がフィールドワーク・レポートであり、現場で得られた新鮮な感覚にあふれています。

現代インドネシアにおける社会変容とイスラームの知の担い手/イスラーム的市民社会論の観点から

対象とする問題の概要  インドネシアのイスラームは、人類学者Martin van Bruinessenが「保守転化」と呼んだように、民主化以後その性質を大きく変化させた。この「保守転化」は、インドネシア社会における民主化や市場化、グローバル…

エチオピアにおける伝統的ダンスの継承と新たな表現の創造

対象とする問題の概要  アフリカにおいて、伝統的ダンス(以下、「ダンス」と表記)は結婚式、収穫祭などコミュニティにおける冠婚葬祭の重要な場面で演じられるとともに、コミュニケーションや娯楽のツールにもなっている。エチオピアの首都アディスアベバ…

現代パキスタン都市部におけるパルダ実践の様相/女性たちの語りに着目して

対象とする問題の概要  本研究においては、現代パキスタン都市部におけるムスリム女性のヴェール着用に関して、彼女たちの語りを分析する。パキスタンにおいて、女性のヴェール着用はパルダ(Purdah) という概念に結び付けられて論じられる。パルダ…

モロッコにおけるタリーカの形成と発展(2018年度)

対象とする問題の概要  モロッコ初の大衆的タリーカであるジャズーリー教団の形成過程を明らかにするにあたり、教団の名祖ムハンマド・イブン・スライマーン・ジャズーリー(d. 869/1465)の思想と事績が重要となる。現在流布している伝記では、…

ジョザニ・チュワカ湾国立公園におけるザンジバルアカコロブスと地域住民との共存

対象とする問題の概要  調査地のジョザニチュワカ湾国立公園は、約50㎢と小さな国立公園だが、そこに絶滅危惧種のサル、ザンジバルアカコロブス(Procolobus kirkii) が生息している。その数は、わずか5800 頭あまりで、” 炭食…

現代イランにおけるイスラーム経済の実態/ガルズ・アル=ハサネ基金を事例に

対象とする問題の概要  近年、金融の国際的な潮流のなかでイスラーム経済、イスラーム金融が注目を集めて久しい中、それらの注目はマレーシア、湾岸地域にとどまっており、報告者の着目するイランの実態に関する情報は多くない。また近年マイクロファイナン…

ナミビア北中部におけるサンとオバンボの土地利用を巡る関係に関する研究

対象とする問題の概要  世界各地ではさまざまな先住民問題が発生しているが、中でも「土地」に関する問題はよく争点となっている。南部アフリカ一帯で遊動生活をしてきた狩猟採集民サンは、アフリカ地域における土地問題のでもとりわけ注目されてきた存在で…

霊長類研究者とトラッカーの相互行為分析/DRコンゴ・類人猿ボノボの野外研究拠点の事例

対象とする問題の概要  本研究の関心の対象はフィールド霊長類学者の長期野外研究拠点における研究者と地域住民の対面的相互行為である。調査地であるコンゴ民主共和国・ワンバ(Wamba)村周辺地域は類人猿ボノボの生息域である。1970年代から日本…