ニジェールの首都ニアメでは急速な人口増加と都市の近代化が政治的課題となっており、近年とみに廃棄物問題が重要視されている。急激な都市化にガバナンス体制や財源、技術の不足が相まって、家庭ゴミの収集がおこわれていない、もしくは不規則である。都市においてはインフォーマル・セクター従事者だけが廃棄物を集めて生活の糧を得ると同時に、都市生活の基盤である廃棄物収集というサービスを住人に提供している [Dias 2016]。生活の糧を得るという行為には、資源と機会へのアクセスの獲得、リスクの管理、家庭やコミュニティ、都市の社会関係の網を維持する[Beall et al.1999]など、単なる経済活動である以上の概念と人の生きざまが含まれる。ニアメでは住人が直接ゴミ収集人にゴミの運搬料を支払うことで廃棄物の収集が成り立っており、ゴミ収集に参入する多くが都市に資源や機会を求めて出稼ぎに来た若者である。これら出稼ぎの若者に着目するとニアメにおける生活と社会的ネットワーク、チャンスとリスクが存在する。ミクロなレベルから廃棄物収集業が作り出す機会と彼らの社会関係を理解することは、マクロなレベルでの廃棄物管理システムの構築という課題の検討にとって不可欠である。
【1】Dias, S.A. 2016. Waste pickers and cities, Environment and Urbanization 28(2):375-390 【2】Beall, J., Kanji, N. 1999. Households, Livelihoods and Urban Poverty, Urban Governance, Partnership and Poverty Theme Paper 3, London School of Economics and Political Science