アフリカ都市研究は、還流型の出稼ぎ民らが移動先の都市において出身農村のネットワークを拡大し濃密な集団的互助を行う様子を描いた。これらの研究は、人々が都市においてどのように結び付けられ、その中でどのように行為するのかに着目した。しかし人々の結びつきや連帯への着目は、しばしば人々の間にある差異を見落としてきた。加えて、人々の都市における社会ネットワークを既に/常にそこにあるものと捉え、その流動性やそこから取り残される人々に焦点が当てられなかった。 Das and Randeria[2015]は、都市貧困層を統一的なカテゴリーとみなす研究を批判し、彼らは多様で不均一な一時性の中で生きまた行為しており、もろい関係性を創造し維持することに多大な努力をつぎ込んでいるとする。またWilliams[2015]は、既存研究はしばしば人々のネットワークの日々の戦略や動態の詳細な記述を欠いてきたと述べる。
【1】Das, Veena and Randeria, Shalini. 2015. Politics of the Urban Poor: Aesthetics, Ethics, Volatility, Precarity, Current Anthropology, 56(S11), S3-S14. 【2】Williams, James. 2015. Poor Men with Money: On the Politics of Not Studying the Poorest of the Poor in Urban South Africa, Current Anthropology, 56(S11), S24-S32.