資料収集では、団体パンフレット、基本情報文書、戦略計画、機関誌、年間報告書、プロジェクト毎のTORと報告書、その他団体発行物(啓発冊子など)を収集した。そこから、当該団体の基本情報、歴史、ビジョンとミッション、組織構成、活動内容が読み取れた。具体的には、当該団体は1995年に設立され、セネガル女性の地位向上を目的として、リプロダクティブ・ヘルス、識字率向上と教育、マイクロファイナンス、女性の政治参画等の多岐にわたる分野でプロジェクトを企画していることがわかった。 参与観察では、インターン生として、日常的な勤務と都度開催されるイベントの運営に従事した。参与観察期間中、運営スタッフとして①ジェンダー暴力に対抗する広報キャンペーン(2024年11月27日)②ダカールの地方政治のフェミナイゼーション(女性化)(2024年11月28日)③学校でのジェンダー暴力に反対するプロジェクトの立ち上げ(2024年12月5日)③ジェンダー暴力に関する国家行動計画の策定に向けた市民社会の提言と動員に関する全国ワークショップ(2024年12月13日)と題する計4つのイベントに参加した。例えば、①のイベントでは選挙カーのようなアナウンスカーをダカール内の計3つの地区で走らせながら、メッセージが書かれた帽子、Tシャツ、フライヤーを町中で配布してダカール市民にジェンダーに基づく暴力(Gender Based Violence, GBV)に関する啓発を行っていた。②のイベントでは、ダカール市内の女性地方議員を集めて女性の政治参画の重要性を説いたり、「女性のリーダーシップ」と題する市民参加型の絵画コンクールの受賞者を表象したりしていた。このように、当該団体は様々な方法で市民や地方議員への啓発活動を行っていることが分かった。