京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート/東南アジア地域研究専攻

高山地帯に生息するユキヒョウ(Panthera unica)の家畜襲撃によって生じる地元民との軋轢に関する研究

対象とする問題の概要  ネパールでは、肉食動物による家畜襲撃が問題となっている。特にIUCNレッドリストで危急種に指定されているユキヒョウによる“マスキリング”(家畜の大量殺戮)が起こることで、被害は大きく、地元民との軋轢を深刻化させている…

ブータン農村開発における教育普及と今後

対象とする問題の概要  ブータンの国家政策において、初等教育の量的拡大は重要政策の一つと位置付けられてきた。国土の多くが山々に拒まれた地形であるが、それぞれの農村に小規模な学校を設置して教育機会を保障しようと努めてきた歴史を有する。このよう…

人間活動がモウコガゼル(Procapra gutturosa)の行動に及ぼす影響の評価

対象とする問題の概要  陸上哺乳類の長距離移動は、人間活動により世界的に減少傾向にある [Tucker et al. 2018]。移動の縮小は生態系機能の低下を招く恐れがある。モンゴルに生息する長距離移動性の草食獣モウコガゼル(以下、ガゼル…

金融互助実践とコミュニティに関する研究――ジョグジャカルタのアリサンを事例に――

対象とする問題の概要  アリサン(arisan)とはインドネシアの人々が日常的に行うインフォーマルな金融互助実践のことあり、世界各地で共通してみられるROSCA(回転型貯蓄信用講)の一種として知られている。近隣住民や家族・親族、同業者などが…

人々と樹木の関係性――タイにおける伝統的木造建築文化――

対象とする問題の概要  近代以前のタイは、人口に比して豊富な森林資源に恵まれていた地域であり、豊かな木造建築の文化が育まれてきた。寺院建築や華僑の建築には煉瓦も多用されるが、タイ族の伝統的な住まいは木造の高床住居である。またタイは精霊信仰の…

インドネシア・ロカン川河口域における地形変化による生業変化

対象とする問題の概要  研究対象地域はインドネシア・スマトラ島東海岸のロカン川河口域であり、同地域は1930年代のオランダ統治時代に、ノルウェーに次ぐ世界第2位の漁獲量を誇るインドネシア最大の漁獲地であった。しかし、1970年代以降、漁獲量…