京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート/東南アジア地域研究専攻

ラオスの小規模輸送を可能にする長距離バス――家族経営の公共交通機関――

対象とする問題の概要  東南アジアの内陸国であるラオスは、山岳地帯が国土の多くを占めている。道路輸送が全モードの輸送量のうち大半を占めるにもかかわらず、道路の舗装率は周辺国に比べて低い。時間と費用共に輸送コストが高く、大規模なサプライチェー…

ブータンからオーストラリアへの国際労働移住―ブータン都市・農村・大学での調査報告―

対象とする問題の概要  グローバル化が進む21世紀の社会において、世界各地の移民現象と移民社会に関する詳細な事例研究を蓄積することは重要な課題である。本研究においては、既往の学術論文で着目されていないブータンからオーストラリアへの国際移住を…

狭間の戦争認識

対象とする問題の概要  戦争モニュメントや戦争を扱った博物館というのは、世界中に存在する。それらは、概して加害/被害の二項対立構造を伴っている。よって、加害者でも、それに対応する被害者でもない者たちの「戦争」経験が看過されてきたのではないだ…

長期化難民/移民に対する援助と地域社会の形成――タイ・ミャンマー国境地帯を事例として――

対象とする問題の概要  2021年以降、ミャンマーでは170万人以上がIDP[1]として国内での避難を余儀なくされている[2]。タイ国境においては歴史的に、国際的な人道支援アクセスが制限されるミャンマーへの「国境を越えた支援」が草の根のCS…

復興期カンボジアの障がい者に対する国際援助政策の研究

対象とする問題の概要  今日のカンボジアの障碍者福祉は、1980年代の人道支援を源流とし、1991年のパリ協定を皮切りとした国際援助とともに形成されてきた。カンボジア政府は、2014年からと2019年からの4年間、障碍者戦略計画を掲げ、障碍…

茨城県大洗町インドネシア人のコミュニティとエスニック・アイデンティティの実態――キリスト教世界観との関連――

対象とする問題の概要  1980年代以降、日本における外国人定住者数は急増している。1990年の入管法改正による日系外国人の流入、1993年の技能実習制度創設による外国人労働者の全国的な受け入れ、彼らは都心から地方にまで幅広く定住するように…