京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート

フィールドワーク・レポート

フィールドワーク・レポートは、附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センターが実施している「エクスプロ―ラー・プログラム」の成果です。大学院生は、このプログラムの下で、それぞれの研究対象地域において臨地研究(フィールドワーク)に従事して、地域で起きている新たな事象をみずから発見し、それを探求することによって、研究として深化させてきました。そういった知見の第一報がフィールドワーク・レポートであり、現場で得られた新鮮な感覚にあふれています。

ザンビア・ルサカ市未計画居住区の水供給システムにおける飲料水の糞便汚染構造に関する研究

対象とする問題の概要  5歳未満の子どもの死亡要因のうち、下痢は9%を占めると推定される主要な要因である [UN IGME 2025]。下痢による死亡の58%は不十分な水・衛生に起因するとされる [WHO 2014]。このような問題が最も深…

民主化期インドネシアにおける若者によるスハルト像の記憶形成および再評価――SNSを中心に――

対象とする問題の概要  スハルト元大統領は1967年から1998年まで約30年間にわたりインドネシアを支配し、経済成長や治安維持を実現する一方、東ティモール侵攻や人権侵害、大規模な汚職などによって「20世紀で最も腐敗した国家元首」とも評され…

マダガスカル熱帯乾燥林におけるコクレルシファカの採食戦略の解明

対象とする問題の概要  乾季と雨季が極めて明瞭な地域では、利用可能な資源が季節によって大きく変動するため、生息する動物は大きな環境の変化への適応を迫られる。このような季節変動に対し、動物がいかにして適応しているのか、その適応戦略を明らかにす…

「プロセス」として家を持つこと――ザンビア・ルサカのコンパウンドにおけるライフコースと居住選択――

対象とする問題の概要  ザンビア共和国の首都ルサカでは、人口の70%が低所得者層であるとされている [UN-habitat 2023]。彼ら彼女らは、コンクリートブロックでできた壁とトタン屋根で建てられた住宅に住んでいる。そして、このような…

現代インドにおけるヒンドゥーナショナリズムの高揚とムスリム社会の動態

対象とする問題の概要  インドは独立以来世俗主義を国是とし、多民族、多宗教、多言語国家である。この国家観を多くのムスリムが信じたことで、パキスタンとの分離独立を経た後でもなお国内に多くのムスリムが残り、ヒンドゥー国家でありながら現在でも世界…

「経験から学ぶ」教育がラダックの若者に及ぼした影響

対象とする問題の概要  ラダックはインド最北部のインド・ヒマーラヤ地域に位置する、4000m-7000m級の山々に囲まれた高標高、乾燥地帯である。その厳しい地理的特徴から、人々は互いに協力し合い、自然資源や動物資源を持続可能な形で利用し生活…

マレーシアのムスリム女性の社会進出――起業家に着目して――

対象とする問題の概要  マレーシアでは、女性の教育機会の拡大と高学歴化が進んでいるが、それが政治や経済分野における女性の活躍にはつながっていないという指摘がある [鴨川 2020]。一方で、近年、Tik Tokや Instagramなどソー…

インドにおける宗教対立とムスリム差別――社会保障の観点から―

対象とする問題の概要  世界最多の人口を抱えるインドには多様な宗教が存在する。独立後のインドは、たびたび困難と失敗を経験しながらも宗教間の共生を模索し、民主主義を維持してきた。しかし近年、ヒンドゥー・ナショナリズムの台頭によって宗教対立が激…

トルコにおけるイスラーム的NGOによる難民支援――シリア難民に事例に――

対象とする問題の概要  本研究では、シリア難民を事例にイスラーム的相互扶助を行うNGOを対象にトルコにおける活動とその社会的役割について探る。 トルコは2011年以降、最もシリア難民を受け入れてきた。当初は「Guest(ゲスト)」として迎え…