エチオピアおける新たな舞踊文化の創造/舞踊表現と舞踊集団に関する調査研究を通して
対象とする問題の概要 本研究の調査対象はエチオピアの舞踊である。エチオピアは国内に80以上の民族集団が存在する多民族国家であり、それぞれの民族や地域において、多種多様な舞踊が継承されてきた。エチオピアの舞踊は結婚式など、コミュニティにおけ…
2023年2月6日現地時刻午前4時16分、マグニチュード7.8の地震がトルコ南東部のシリア国境付近で大規模な地震が発生した。約9時間後、最初の地震の発生地から北西に95km離れたところを中心に発生した。地震が起きたところが広範囲であったため被害は甚大なものとなった。
地震が起きた時にこそその地域や人々の持つ潜在的な問題が浮かび上がると私は考える。被災地は比較的農村地帯で、難民も多く暮らしている地域であり、また与党(公正発展党)を支持する人も多い地域でもある。今後を見据えていく際に特に多様な問題が複合的に絡まり合う被災地に対して福祉、特に慈善団体という切り口でアプローチしたいと思う。
2023年2月のトルコにおける震災発生時の慈善団体の機能を明らかにし、震災発生から復興までの過程で人々を結びつけるものは何かを探る。また、トルコで人々が慈善団体に寄付する動機は何であるかについても探るため。
行ったことは主に参与観察、インタビュー、文献収集だ。
団体としてはウルラフレンドシップフォース、オリジンの2つにインタビュー、施設としてはメルミラ高齢者施設において参与観察を行った。(いずれもイズミル県)
地震(2023年2月)の起きた日以降で研究のために重要だと思われる複数の出版社からの新聞記事を入手した。
オリジンは多様な企業や団体と連携しており、イベントスペースとして運用されている。そのメンバーのジャンさんは、2020年のイズミルにおける地震と津波の際、慈善団体の指揮を行った人物の1人である。彼によるとトルコ政府はイズミルの地震含めた過去の地震から対策を講じていなかった訳ではないが、今回の地震は規模が予想以上であった上に”慈善団体の指揮“という面からまだまだ準備不足であったと語った。今回の地震で、彼をはじめオリジンはそのネットワークを活かし正しい情報共有とイズミルから被災地への慈善団体や支援物資の派遣の指揮をとったという。現在に至るまで被災地からイズミルへの移民受け入れと必要物の準備・提供を行っているという。しかし、これからの資金をどう賄うかという問題や、文化や育ってきた環境の違う移民と現地の人がどう共存できるか、メンタル面のサポートなどこれからの課題は山積みだということが分かった。
この他に印象的であったのは、家族を亡くした被災者の自宅で2週間生活するという経験をしたことだ。彼女は敬虔なムスリマであり、日常のイスラームの実践を身近に感じることができたのは勿論、家族を亡くした後の彼女にイスラームがどれ程心理的な面で支えになっているかを目の当たりにした。彼女は心身ともに回復しきっていなかったため、無理にインタビューはしなかった。一緒に過ごす中で徐々に当時の状況や心情、政治に対する考え等について語ってくれた。
反省としては、研究の予定について前から考え込みすぎてしまったことだ。トルコで生活する中でアポイントメントを事前に取るのではなく直前に連絡して向かうことの方が一般的であることを体感的に学んだ。お会いしたご縁で研究に際し予期せぬ機会が突然舞い降りることもあった。何があっても柔軟に対応できるよう予定はあまり入れすぎないようにしようと思う。
今後は調査データと文献の整理をし、更に関連する文献を集め続ける。その際必要であれば、オンラインで団体や現地のカウンターパートに連絡をするつもりだ。
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