京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート/マレーシア

現代イスラーム世界における伝統的相互扶助制度の再興と新展開――マレーシアのワクフ制度に注目して――

対象とする問題の概要  本研究は、ワクフ制度と呼ばれるイスラーム世界独自の財産寄進制度に焦点を当て、その再興が見られるマレーシアに着目し、その実態の解明を目指す。 ワクフは、イスラーム独自の財産寄進制度であり、長きにわたりイスラーム世界の社…

イスラーム金融における「不確実性」の法的解釈――イスラーム型金融派生商品に焦点を当てて――

対象とする問題の概要  イスラーム金融では、利子と共に不確実性が禁止されている。しかし、現代の金融の一側面である金融派生商品(デリバティブ)は、リスクテイク・不確実性を伴う。そうしてみると、イスラーム金融における金融派生商品の実践にまつわる…

マレーシアにおけるイスラーム型ソーシャルビジネス――その社会的起業の実態と傾向――

対象とする問題の概要  本研究の対象は、東南アジアで活発化しているイスラーム型ソーシャルビジネスである。特に今年度はマレーシアに注目して研究を進める。マレーシアでは、10年程前から社会的起業への関心が高まっている。2014年には社会的起業を…

東南アジアにおけるイスラーム市場の発展――マレーシアを事例として――

対象とする問題の概要  21世紀以降マレーシアではハラール認証制度の普及やムスリム消費者層の中流化が起こり、イスラーム市場というものが変容している。イスラーム市場というものは、ハラールマークだけでは語ることができないものである。しかし、現在…

イスラーム経済におけるモラリティの理念と実践――マレーシアを事例として――

対象とする問題の概要  イスラーム経済においては、利子や不確実性を回避する金融取引とともに、共同体内での社会福祉の役割が強調されてきた。マレーシアは、21世紀のイスラーム金融をリードするイスラーム金融先進国であるが、イスラームの本来の理念か…

マレーシア華人の自己表象に関する一考察 ――民族博物館と歴史教科書を例に――

対象とする問題の概要  多民族を抱えるマレーシアは複合社会であり、マレー人・華人・インド人をはじめとする各民族集団間の境界がはっきりしている。一方、マレー人と華人の間には緊張関係が存在し、同国の政治と社会経済の中心課題に位置づけられている。…