京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート

フィールドワーク・レポート

フィールドワーク・レポートは、附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センターが実施している「エクスプロ―ラー・プログラム」の成果です。大学院生は、このプログラムの下で、それぞれの研究対象地域において臨地研究(フィールドワーク)に従事して、地域で起きている新たな事象をみずから発見し、それを探求することによって、研究として深化させてきました。そういった知見の第一報がフィールドワーク・レポートであり、現場で得られた新鮮な感覚にあふれています。

現代インドにおけるヒンドゥーナショナリズムの高揚とムスリム社会の動態

対象とする問題の概要  インドは独立以来世俗主義を国是とし、多民族、多宗教、多言語国家である。この国家観を多くのムスリムが信じたことで、パキスタンとの分離独立を経た後でもなお国内に多くのムスリムが残り、ヒンドゥー国家でありながら現在でも世界…

「経験から学ぶ」教育がラダックの若者に及ぼした影響

対象とする問題の概要  ラダックはインド最北部のインド・ヒマーラヤ地域に位置する、4000m-7000m級の山々に囲まれた高標高、乾燥地帯である。その厳しい地理的特徴から、人々は互いに協力し合い、自然資源や動物資源を持続可能な形で利用し生活…

マレーシアのムスリム女性の社会進出――起業家に着目して――

対象とする問題の概要  マレーシアでは、女性の教育機会の拡大と高学歴化が進んでいるが、それが政治や経済分野における女性の活躍にはつながっていないという指摘がある [鴨川 2020]。一方で、近年、Tik Tokや Instagramなどソー…

インドにおける宗教対立とムスリム差別――社会保障の観点から―

対象とする問題の概要  世界最多の人口を抱えるインドには多様な宗教が存在する。独立後のインドは、たびたび困難と失敗を経験しながらも宗教間の共生を模索し、民主主義を維持してきた。しかし近年、ヒンドゥー・ナショナリズムの台頭によって宗教対立が激…

トルコにおけるイスラーム的NGOによる難民支援――シリア難民に事例に――

対象とする問題の概要  本研究では、シリア難民を事例にイスラーム的相互扶助を行うNGOを対象にトルコにおける活動とその社会的役割について探る。 トルコは2011年以降、最もシリア難民を受け入れてきた。当初は「Guest(ゲスト)」として迎え…

ジュア・カリにおける「悪い仕事」への抑止力――社会関係資本が生み出す「閉鎖性」と「開放性」に注目して――

対象とする問題の概要  先進国では法的措置により品質が担保されてきたが、途上国の非公式部門において、品質担保がいかに図られているのかについては、これまで十分な研究対象となってこなかった。ケニアでは、非公式部門において「金属加工、大工仕事、自…

マダガスカル・アンカラファンツィカ国立公園における湧水湿地の立地環境と地域住民によるその利用

対象とする問題の概要  度重なる焼畑の結果、今ではサヴァナが広がるマダガスカル共和国北西部で、アンカラファンツィカ国立公園には最後の大規模な森林地帯が存在する。ここでは、地域住民と国立公園局の協働のもと、森林と水田が広がる里山のような景観が…

セネガルにおけるフェミニズム運動の現在――ダカールに所在する女性支援団体を拠点に――

対象とする問題の概要  セネガルは西アフリカにおけるフェミニズム運動の中心地であり、特に首都ダカールはその拠点となっている。セネガルのフェミニズムは第一波(1980-1990)/第二波(1990-2000)/第三波(2000-)の3つに分類…

カンボジアにおける少数先住民族の表象――映像資料と先住民運動の語りから――

対象とする問題の概要  カンボジアの「少数先住民族」は全人口の1〜2%にすぎず、そのうちにクイ・ブノン・タンプオン・ジャライなど多様な集団が含まれる。彼らはラタナキリ州やモンドルキリ州など北東部山岳地帯に多く居住し、固有の文化や生活様式を営…

現代イスラーム世界における伝統的相互扶助制度の再興と新展開―マレーシアのワクフ制度に注目して―

対象とする問題の概要  本研究は、ワクフ制度と呼ばれるイスラーム世界独自の財産寄進制度に焦点を当て、その再興が見られるマレーシアに着目し、その実態の解明を目指す。 ワクフは、イスラーム独自の財産寄進制度であり、長きにわたりイスラーム世界の社…