テヘランにあるガルズ・アル=ハサネ基金のうち3つに赴きその運営者から基金についての聞き取り調査に成功した。聞き取り調査では基金の社会的・経済的役割や、イランにおけるイスラーム金融へのアクセスに関する課題、基金運営の具体的情報やグラミン銀行を応用したマイクロファイナンスの新たな形、イランにおけるイスラーム経済などについての情報を得ることに成功した。またテヘラン大学の近くのエンゲラーブ広場周辺の本屋にて、ペルシャ語で書かれたイスラーム経済に関する書籍を2冊、ガルズ・アル=ハサネ基金に関する書籍を2冊、イランのアーヤトッラーのファトワー集を6冊、合計10冊の書籍の収集に成功した。さらに、イランの中央銀行の調査機関で経済白書を発行している“The Monetaryand Banking Research Institute”の研究者3人と面談し、ネットワークを築くことに成功した。その際、その研究者の方々からイランのイスラーム経済やガルズ・アル=ハサネ基金についての情報を聞くことができた。具体的には基金の社会的・経済的役割やその変容などについて聞くことができた。またイランにおけるイスラーム経済に関する研究の最新情報や、最新の論文を入手できるウェブサイト、イスラーム経済を中心とした書籍を刊行する出版社などの研究を行うにあたって有意義となる情報なども聞くことができた。この面談を通じて親睦をさらに深めた結果ネットワークの構築に成功した。そのため帰国後も最新情報や論文などを送っていただいている。また9月8日~10日にかけて行われたアーシューラーと呼ばれるシーア派の宗教行事の参与観察をすることにも成功した。イランはシーア派を中心としたイスラーム国家体制をとっており、シーア派の一大行事を参与観察することで、イランやシーア派に関する視座を深めることに成功した。