京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート/インドネシア

地方都市に生きる人々――ジョグジャカルタ都市部における「つながり」の現在――

対象とする問題の概要  伝統的な自然経済から工業化、産業化の高度発展のもとグローバル化が急速に進んだ今日、コミュニティそのものの在り方も大きく変動してきた[山田2020]。一方、都市部でありながら依然として村落共同体的な性格が色濃く残る場所…

インドネシア熱帯泥炭湿地林における土地利用調査

対象とする問題の概要  熱帯低湿地の中で水が溜まりやすい地域には、植物遺体の分解が途中で止まり、炭素と水の巨大な貯蔵庫と称される熱帯泥炭湿地が発達しやすい。インドネシアは世界最大の熱帯泥炭湿地保有国である。泥炭湿地は貧栄養で農業に適さないた…

インドネシア熱帯泥炭地における水文・気象現象の把握

対象とする問題の概要  いま、気候変動による異常気象などが多発しており、温室効果ガスの排出や炭素吸収源として熱帯泥炭地の役割は世界的に注目されている。インドネシアにおける熱帯泥炭地の炭素貯留量は57.4Gtであり、これは東南アジアにおける熱…

ジャカルタにおける都市住民の洪水対策における隣組(RT)・町内会(RW)の役割

対象とする問題の概要  世界的に都市災害が増加、激化する中、災害時の被害軽減のためには構造物対策だけでなく行政と連携した地域コミュニティレベルの防災活動が重要であると言われている[辻本2006]。ジャカルタで顕著な都市災害としては洪水が挙げ…

人新世のイスラーム世界におけるムスリムの環境観と環境実践――エコ・モスクを事例に――

対象とする問題の概要  近年、地球環境問題の深刻化を受け、イスラームの教義を取り入れた環境保護活動が活発化している。2億人以上のムスリム人口を持つインドネシアは、環境問題の文脈に即した新しいイスラーム理解を展開している。この新たなイスラーム…

タナ・トラジャの棚田における耕作放棄の利用について 水牛飼料の草地に着目して

対象とする問題の概要  現在日本国内において、特に平野部が少なく生産効率性の低い中山間地域にて耕作放棄地の増加が問題となっている。中山間地域では山々の斜面上の棚田において米を生産することが多いが、その棚田の耕作放棄地化が増加している。耕作放…

観光が促進する地域文化資源の再構築と変容 /バンカ・ブリトゥン州の事例から

対象とする問題の概要  本研究の目的は、インドネシア錫鉱山地域における観光開発に着目し、観光開発を通して、地域文化がどのように再構築・変容され、地域の人々に理解されるようになってきたかを明らかにすることである。本研究の対象地であるバンカ・ブ…

住民組織から見る、ジャカルタ首都圏における空間政治

対象とする問題の概要  インドネシアにはRT・RWと呼ばれる住民主体の近隣地区自治組織(以後、住民組織)がある。日本軍占領下時代に導入された隣組から行政の延長として整備された住民組織は、30年以上続いたスハルト開発独裁体制の最末端を担った。…