京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート

フィールドワーク・レポート

フィールドワーク・レポートは、附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センターが実施している「エクスプロ―ラー・プログラム」の成果です。大学院生は、このプログラムの下で、それぞれの研究対象地域において臨地研究(フィールドワーク)に従事して、地域で起きている新たな事象をみずから発見し、それを探求することによって、研究として深化させてきました。そういった知見の第一報がフィールドワーク・レポートであり、現場で得られた新鮮な感覚にあふれています。

ポスト狩猟採集社会におけるフォーマル教育とノンフォーマル教育の接続の実態

対象とする問題の概要  ボツワナ共和国(以下、ボツワナ)は、圧倒的多数派民族であるツワナを中心とした統合政策のもとに発展した。こうした国民国家形成の普及を実質的に担う学校教育もまた、ツワナの文化・社会システムを中心としたカリキュラムを採用し…

ガーナの手織り布ケンテのグローバル市場における可能性の探求――博士予備論文執筆にむけた予備調査報告――

対象とする問題の概要  報告者は、アフリカのローカルな経済圏の中にある手工芸品が、グローバル市場で流通することで広がる可能性の探求を目指す。具体的には、ガーナの「ケンテ」という精巧に織り上げられた手織りの布を対象にする。そしてこの布のグロー…

カメルーン北部・ンガウンデレにおけるウシの交易――ウシ商人の商慣行に着目して――

対象とする問題の概要  カメルーンを含む中部・西アフリカのなかでウシは重要な動産である。特にウシの交易は極めて大きな経済規模をもっている。18世紀から19世紀に、牧畜民フルベがこの地域のイスラーム国家建設の主体として立ち上がった背景には、人…

海と共に生きる人々――セネガル沿岸部における海産物利用と浜仕事の現状――

対象とする問題の概要  セネガル国は年間約40万トンの水揚げ量を誇るアフリカ有数の水産国であり、水産業は同国のGDPの約11%を占める重要な産業である。同国の総人口に対して15%を占める零細漁業者は、木造船を用いて漁を行う。同国では動物性た…

マダガスカル北西部農村におけるマンゴーと人の共生関係――品種の多様性とその利用――

対象とする問題の概要  栽培植物は常に人間との共生関係の中で育まれてきた。植物の品種を示す言葉は複数あるが、本研究の関心は地方品種にある。地方品種は、地域の人々の栽培実践によって成立した品種として文化的意味を含んでおり[Lemoine et…

インドネシア熱帯泥炭湿地林における土地利用調査

対象とする問題の概要  熱帯低湿地の中で水が溜まりやすい地域には、植物遺体の分解が途中で止まり、炭素と水の巨大な貯蔵庫と称される熱帯泥炭湿地が発達しやすい。インドネシアは世界最大の熱帯泥炭湿地保有国である。泥炭湿地は貧栄養で農業に適さないた…

ザンビア北東部のマンブウェの人々における作物生産と生業の変化

対象とする問題の概要  現在アフリカでは増加している都市人口に食料を供給し、食料を安定的に獲得・生産することが求められている。ザンビアでは政府が1970年代なかばに銅輸出に依存した経済からの脱却のため農業開発を重要視し、化学肥料を用いたF1…

2023年度 成果出版

2023年度における成果として『臨地 2023』が出版されました。PDF版をご希望の方は支援室までお問い合わせください。 書名『臨地 2023』院⽣臨地調査報告書(本文,13.4MB)ISBN:978-4-905518-41-9 発⾏者京都…