京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート/2017年度レポート

2017年度 成果出版

2017年度のフィールドワーク・レポートを編集いたしました。PDF版公開を停止しています。ご希望の方は支援室までお問い合わせ下さい。 書名『臨地 2017』院⽣海外臨地調査報告書 発⾏者京都⼤学⼤学院アジア・アフリカ地域研究研究科附属次世代…

ミャンマーの茶園地域における持続的植生管理及び植物利用に関する研究/ミャンマー・タイ・ラオス茶園地域概査

対象とする問題の概要  ミャンマーの森林は減少・劣化の一途をたどっており、特に森林減少・劣化が激しい地域における森林保全対策の検討が喫緊の課題となっている。本研究では、下記の点に着目し、保全対策立案にむけて課題に取り組む。 1. 特に森林減…

エチオピアにおけるウマの利用 /南部諸民族州アラバ・コリトにおける牽引馬の労働と給餌の関係 に着目して

背景 エチオピアにはアフリカ諸国で最多の約200万頭のウマが生息しており、世界でも上位8位である。エチオピアにおいてウマが牽引馬として盛んに利用されるようになったのは、イタリア占領期(1936-1941)の頃からで、都市部やコーヒー栽培の盛…

インドネシア・ケイ諸島における 伝統的水産資源管理慣行“サシ”の多角的評価/漁業協力管理体制の構築を目指して

対象とする問題の概要  近年のアジア諸国では急速な経済発展に伴い、水産資源の乱獲が非常に大きな問題となっている。水産資源の持続的利用に向けた取り組み、管理体制の構築は急務であり、国の枠組みを超えて議論が行われている。北欧諸国では、ITQ(譲…

ブータンにおける女性の宗教実践とライフコースの多元性

対象とする問題の概要  南アジア社会における女性研究では、世俗としての家族と現世放棄としての出家という二項対立的な女性のライフコース選択は自明のものとされてきた。特に、女性のセクシュアリティは危険なものとされ、家族や宗教といった制度によって…

インドネシア・リアウ州における泥炭火災の特徴とその発生要因の解明

対象とする問題の概要  インドネシアでは泥炭地で起きる「泥炭火災」が深刻な問題となっている。泥炭火災とは、泥炭地で起きる火災である。泥炭地は湿地内で倒木した木が水中でほぼ分解されず、そのまま土壌に蓄えられた土地であり、大量の有機物が蓄えられ…

タイの考古学に対する批判的考察/遺跡の保存・活用の観点から

対象とする問題の概要  タイは、年間約500億米ドルもの国際観光収入を得る [1] 、まさに観光立国と呼ぶにふさわしい国である。荘厳な寺院や伝統芸能、ビーチなどのリゾートと並んで、タイ観光の目玉の1つになっているのは、スコータイやアユタヤー…

不確実性を読み替える賭博の実践/フィリピン・ミンダナオ島における事例から

対象とする問題の概要  フィリピン・ミンダナオ島では、フィリピン政府と反政府イスラーム組織による紛争が長期化しており、人々は自らでは制御不可能な政治的不安定に起因する社会・経済的不確実性を所与のものとして日常生活を営んでいる。そのような不確…

異宗教間結婚問題の現状/ヒンドゥー・ムスリム夫婦への聞き取りから

対象とする問題の概要  インドでは独立以後、ヒンドゥーとムスリムの対立が時として陰惨な暴力的対立に発展してきた。しかし、そのような中で暴力や迫害の対象とされながらも、様々な理由からヒンドゥー・ムスリム間で結婚した夫婦が存在してきた。そもそも…

宗教多元社会における政治的意思決定/レバノンにおける公式・非公式なエリートの離合集散

対象とする問題の概要  筆者は2017年7月4日から7月26日にかけてレバノン政府によるパレスチナ難民政策に関する調査を行うために、レバノン共和国においてフィールド調査を行った。レバノンは第1次大戦後の「中東諸国体制」の形成による地域的状況…