京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート/グローバル地域研究専攻

現代トルコにおける新しい資本家の台頭とイスラーム経済

対象とする問題の概要  本研究では、アナトリアの虎を中心的な研究対象とする。アナトリアの虎という用語は、1980年代以降に、トルコにおいて経済的な側面で発展してきた地方都市やその台頭を支えた企業群を指して用いられる。そうした企業群の特徴とし…

スリランカ内戦後のムスリム国内避難民(IDPs)についての研究/女性の視点から考察する国内避難民の社会変化

対象とする問題の概要  本研究では1983年から2009年のスリランカ内戦において、タミル武装勢力により故郷を追放され国内避難民(IDPs)となったムスリムのコミュニティに焦点を当てる。シンハラ対タミルの民族紛争の構造で語られることの多いス…

現代ブータンにおける農村起業家/過疎化と就職問題の視座から

対象とする問題の概要  ブータンにおいて以前から若者の高い失業率が問題となっている。ブータンでは近代教育が普及し、高等教育を修了する者が増加したのだが、彼らが求めるホワイトカラー職の雇用は依然として不足している。高等教育を受けた上で故郷の村…

シリア難民の生存基盤と帰属問題の研究(2018年度)

対象とする問題の概要  2011年に「アラブの春」がシリアに波及して以降、シリア国内では体制改革を求める気運が高まった。しかし、平和的だった民主化運動は次第に反体制派とアサド政権の武力闘争へと発展し、諸外国の介入を招いてますます複雑な戦況を…

スリランカにおける清掃労働者コミュニティの研究

対象とする問題の概要  スリランカの清掃労働者は地方自治体に雇用され、道路清掃やゴミ回収・処理を行っており、その集住集落には周辺住民や自治体職員から差別的なまなざしが向けられている。また廃棄物管理行政の中では主要なアクターとして捉えられてお…

湾岸域内関係の変容とカタルの政治・経済

対象とする問題の概要  湾岸地域の小国カタルは、域内の大国サウディアラビアとイランに挟まれている。これは地理的な関係のみならず、政治的にも両者との関係が発生することを意味している。サウディアラビアとイランは域内のライバルであることから、一方…

現代インドネシアにおける社会変容とイスラームの知の担い手/イスラーム的市民社会論の観点から

対象とする問題の概要  インドネシアのイスラームは、人類学者Martin van Bruinessenが「保守転化」と呼んだように、民主化以後その性質を大きく変化させた。この「保守転化」は、インドネシア社会における民主化や市場化、グローバル…

現代パキスタン都市部におけるパルダ実践の様相/女性たちの語りに着目して

対象とする問題の概要  本研究においては、現代パキスタン都市部におけるムスリム女性のヴェール着用に関して、彼女たちの語りを分析する。パキスタンにおいて、女性のヴェール着用はパルダ(Purdah) という概念に結び付けられて論じられる。パルダ…