京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート/東南アジア地域研究専攻

移民先で生成される「インドネシア」表象

研究全体の概要  本研究は、インドネシア出身者が表象する「インドネシア」に着目し、各移民コミュニティにおいて「インドネシア」がいかに位置付けられているのかを明らかにする。本来インドネシアとは、想像から成る政治的な共同体である[アンダーソン2…

東南アジア大陸部におけるモチ性穀類・食品の嗜好性について

研究全体の概要  東北タイ(イサーン)およびラオスでは、日常的に主食としてモチ米が食されている。一方、タイ平野部を含めた東南アジア大陸部の多くの地域では主にウルチ米が主食として食されており、主食としてのモチ米利用は、イサーンやラオスの食文化…

日本及びマレーシアにおける高齢者の生活の質の向上につながるカフェの特徴及びその影響

研究全体の概要  日本におけるカフェ・喫茶店[1]及びマレーシアにおける伝統的な喫茶店(Kopitiam)は約1800年代後半に出現し普及した。明治時代に出現した日本の喫茶店は都市において西洋文化の普及、庶民への上流階級層の持つ知識の共有、…

沖縄における座り込みの起源と広がり

研究全体の概要  本研究は、沖縄における社会運動の抗議レパートリーの様体:特にその起源と広がりを明らかにするものである。社会運動研究における抗議レパートリーとは、抗議に用いられる手段のセットであり、座り込みやシュプレヒコール、プラカードの持…

ミャンマーの少数民族カレンによる民族言語教育/バプティスト派キリスト教会に注目して

対象とする問題の概要  公定で135民族が居住するとされるミャンマーは、それゆえに民族共存にかかわる課題を擁しており、民族言語もその一つと言える。大きく7つに分類される国内の少数民族の1つであるカレンは、民族語カレン語の話者減少という問題を…

タナ・トラジャの棚田における耕作放棄の利用について 水牛飼料の草地に着目して

対象とする問題の概要  現在日本国内において、特に平野部が少なく生産効率性の低い中山間地域にて耕作放棄地の増加が問題となっている。中山間地域では山々の斜面上の棚田において米を生産することが多いが、その棚田の耕作放棄地化が増加している。耕作放…

観光が促進する地域文化資源の再構築と変容 /バンカ・ブリトゥン州の事例から

対象とする問題の概要  本研究の目的は、インドネシア錫鉱山地域における観光開発に着目し、観光開発を通して、地域文化がどのように再構築・変容され、地域の人々に理解されるようになってきたかを明らかにすることである。本研究の対象地であるバンカ・ブ…

ベトナム・メコンデルタにおける農業的土地利用の変遷/塩水遡上・市場動向・政策的要因に注目して

対象とする問題の概要  ベトナムの一大穀倉地帯であるメコンデルタでは、近年の環境変化が農業システムに大きな影響を与えている。メコンデルタでは様々な環境変化が起きているが、特に沿岸部を中心に発生している塩水遡上の影響は顕著である。沿岸部やハウ…

タイ 2019年総選挙における軍事政権の御用政党 /バンコク都での議席獲得要因に関する考察

対象とする問題の概要  2019年3月24日、タイで約8年ぶりの総選挙が実施された。2014年以降の軍事政権から、選挙結果に基づく政権および首相の復帰となるはずであった。しかし結果は、選挙に敗北した親軍派政党が政権を握り、軍政トップであった…