京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート/東南アジア

カンボジア地方州における養殖漁業――ポーサット州とシェムリアップ州の養殖業者を事例に――

対象とする問題の概要  カンボジアはその国土に東南アジア最大の淡水湖(トンレサープ湖)を擁し,湖の豊かな自然生態系に適応しながら古くから漁業資源を利用してきた。現在もカンボジアの内水面漁業(淡水漁業)の生産量は世界第五位である。しかし近年,…

狭間の戦争認識

対象とする問題の概要  戦争モニュメントや戦争を扱った博物館というのは、世界中に存在する。それらは、概して加害/被害の二項対立構造を伴っている。よって、加害者でも、それに対応する被害者でもない者たちの「戦争」経験が看過されてきたのではないだ…

長期化難民/移民に対する援助と地域社会の形成――タイ・ミャンマー国境地帯を事例として――

対象とする問題の概要  2021年以降、ミャンマーでは170万人以上がIDP[1]として国内での避難を余儀なくされている[2]。タイ国境においては歴史的に、国際的な人道支援アクセスが制限されるミャンマーへの「国境を越えた支援」が草の根のCS…

現代イスラーム世界における伝統的相互扶助制度の再興と新展開――マレーシアのワクフ制度に注目して――

対象とする問題の概要  本研究は、ワクフ制度と呼ばれるイスラーム世界独自の財産寄進制度に焦点を当て、その再興が見られるマレーシアに着目し、その実態の解明を目指す。 ワクフは、イスラーム独自の財産寄進制度であり、長きにわたりイスラーム世界の社…

復興期カンボジアの障がい者に対する国際援助政策の研究

対象とする問題の概要  今日のカンボジアの障碍者福祉は、1980年代の人道支援を源流とし、1991年のパリ協定を皮切りとした国際援助とともに形成されてきた。カンボジア政府は、2014年からと2019年からの4年間、障碍者戦略計画を掲げ、障碍…

カンボジア首都近郊における養殖漁業――ベトナムとの関り――

対象とする問題の概要  カンボジアは東南アジア最大の淡水湖であるトンレサープ湖を擁し、漁業はカンボジアの生態、社会、文化に密接に結びついている。1990年代の復興を通して、圧縮された近代化を経験しているカンボジアにおいて、漁業もまた急速な近…