京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート

フィールドワーク・レポート

フィールドワーク・レポートは、附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センターが実施している「エクスプロ―ラー・プログラム」の成果です。大学院生は、このプログラムの下で、それぞれの研究対象地域において臨地研究(フィールドワーク)に従事して、地域で起きている新たな事象をみずから発見し、それを探求することによって、研究として深化させてきました。そういった知見の第一報がフィールドワーク・レポートであり、現場で得られた新鮮な感覚にあふれています。

焼物を介した人とモノの関係性 ――沖縄県壺屋焼・読谷村焼の事例から――

研究全体の概要  沖縄県で焼物は、当地の方言で「やちむん」と称され親しまれている。その中でも、壺屋焼は沖縄県の伝統工芸品に指定されており、その系譜を受け継ぐ読谷山焼も県内外問わず愛好家を多く獲得している。 本研究ではそのような壺屋焼・読谷村…

牧畜社会における技術や知識の学び ――子どもの生活に着目して――

研究全体の概要  南部アフリカに住んでいるヒンバは、ウシやヒツジなどの家畜を保有して遊牧生活を行なっている。彼らは半乾燥地域に住んでおり、天水農作による農作物の生産性が低い。そのため、家畜を飼育することで、家畜からのミルクや肉を食料として頂…

小笠原諸島において気候変動の影響をうけるアオウミガメの保全と利用

研究全体の概要  小笠原諸島は気候変動の影響を受けやすいアオウミガメの世界的な産卵地として知られている。そしてまた、アオウミガメの保全と食利用が同時におこなわれている珍しい地域である。しかしながら、アオウミガメの保全と食利用についての包括的…

日本の窯をつかった炭焼きの実態とその製炭技術 ――能勢菊炭を事例に――

研究全体の概要  タンザニアで調理用燃料として使用されている木炭は、国内の広い地域で共通したやり方で生産されている。当地の炭焼きは日本のように石や粘土でつくられた窯を使うのではなく、地面にならべた木材を草と土で覆って焼く「伏せ焼き」という方…

アジアにおける有機農業普及 ――宮崎県綾町における行政と農家連携の事例――

研究全体の概要  ブータンは、100%有機農業国化を目指す唯一の国家である。本研究の主題は、タシガン県において行政・大学・農民組織連携による有機農業普及の実態を実践的に明らかにすることである。本邦においても、自治体をあげて有機農業振興に取り…

移民先で生成される「インドネシア」表象

研究全体の概要  本研究は、インドネシア出身者が表象する「インドネシア」に着目し、各移民コミュニティにおいて「インドネシア」がいかに位置付けられているのかを明らかにする。本来インドネシアとは、想像から成る政治的な共同体である[アンダーソン2…

2020年度 成果出版

2020年度における成果として『臨地 2020』が出版されました。PDF版をご希望の方は支援室までお問い合わせください。 書名『臨地 2020』院⽣臨地調査報告書(本文,10MB)ISBN:978-4-905518-32-7 発⾏者京都⼤学…

東南アジア大陸部におけるモチ性穀類・食品の嗜好性について

研究全体の概要  東北タイ(イサーン)およびラオスでは、日常的に主食としてモチ米が食されている。一方、タイ平野部を含めた東南アジア大陸部の多くの地域では主にウルチ米が主食として食されており、主食としてのモチ米利用は、イサーンやラオスの食文化…

カメルーン熱帯雨林の狩猟と精神的影響ー宮崎県串間市のイノシシ猟の事例ー

研究全体の概要  カメルーン熱帯雨林に住むバカピグミーは狩猟採集を営む人々である。彼らにとって狩猟という行為は生活の手段としてだけでなく個々人の精神世界や文化形成において欠くことのできない要素として認識できる。近年では定住化や貨幣経済の影響…