京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート/2021年度レポート

国内における野生動物マネジメントの実態 ―西伊豆町でのニホンジカ駆除を事例に―

研究全体の概要  本研究の目的は、ニホンジカ(以下、シカとする)を対象にした有害鳥獣駆除の取り組みを参与観察し、国内における野生動物マネジメントの実態を明らかにすることである。本研究では、シカによる農作物被害が増加している地域の一つである静…

新潟県十日町市の里山保全活動と狩猟実践

研究全体の概要  アフリカ、カメルーン東南部では熱帯雨林で狩猟採集を主な生業として暮らす人々が住んでいる。彼らにとって狩猟という行為は生業・文化・社会に広く影響を与えている要素として認識できる。近年は定住・農耕化や貨幣経済のインパクトを受け…

牧畜社会における技術や知識の学び ――酪農家の生活に着目して――

研究全体の概要  日本は第一次産業の後継者が減少している。酪農家の数も減少傾向にあり、後継者問題に悩んでいる。酪農は生き物を飼育することから、地域の信頼を得ることが必要となる。そのため、酪農家を新しく獲得することは容易ではない。本調査で訪れ…

身体感覚の習得に関する人類学的研究 ――ヨット競技における人・モノ・環境の関係から――

研究全体の概要  本研究の目的は、風・波を感じ、2人で共に操船し順位を争うヨット競技について、京都大学体育会ヨット部(KUYC)を対象に、操船に必要な感覚が習得される過程を明らかにすることである。学習に関する人類学的研究は、従来の言語中心的…

小笠原諸島におけるアオウミガメの保全と 伝統的利用の両立可能性に関する研究

研究全体の概要  アオウミガメ(Chelonia Mydas)は大洋州の多くの地域において食用として伝統的に利用されてきた(Kinan and Dalzell, 2005)。一方で、本種はワシントン条約附属書Iに記載される絶滅危惧種(EN、…

動物園における動物展示の意図と来園者の動物観に与える影響についての研究

研究全体の概要  動物園は様々な展示を通して来園者の動物観形成に影響を与えうる。本研究では動物が柵や檻などの中で展示されている通常展示、来園者と動物との間に檻などがないウォークイン展示、来園者が動物に触れることのできるふれあい展示など、様々…

熱帯アジアの放棄養殖池におけるマングローブ再生をめぐる地域研究

研究全体の概要  世界の養殖エビの生産量は1985年からの20年間で約13倍に増加した。この背景には、日本でのクルマエビ、台湾でのウシエビの完全人工養殖の確立、そしてその技術を用い、大量のエビを高密度で養殖する集約的養殖の発展がある。この集…

分断時代の南ベトナムにおける仏教徒運動とその思想

研究全体の概要  1963年5月釈迦誕生祭にて国際仏教旗の掲揚が禁じられたことを背景に仏教徒は宗教弾圧を訴えながら宗教平等を求める一連の社会運動を起こした。仏教徒はベトナム共和国(南ベトナム)の都市で反政府運動を展開し、自分の命すら落とす焚…

牧畜社会における技術や知識の学び ――子どもの生活に着目して――

研究全体の概要  南部アフリカに住んでいるヒンバは、ウシやヒツジなどの家畜を保有して遊牧生活を行なっている。彼らは半乾燥地域に住んでおり、天水農作による農作物の生産性が低い。そのため、家畜を飼育することで、家畜からのミルクや肉を食料として頂…