京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート/国内エクスプローラープログラム

高齢者の暮らしに埋め込まれた農業と景観の再生産の関係に関する人類学的研究

対象とする問題の概要  徳島県三好市旧東祖谷山村は中央構造線の南側に位置する日本有数の地すべり地帯であり、大規模な山腹崩壊後の斜面に集落が形成された。近世以降は傾斜地での常畑耕作による葉たばこ・茶・養蚕等の換金作物生産がなされていた。とくに…

茨城県大洗町インドネシア人のコミュニティとエスニック・アイデンティティの実態――キリスト教世界観との関連――

対象とする問題の概要  1980年代以降、日本における外国人定住者数は急増している。1990年の入管法改正による日系外国人の流入、1993年の技能実習制度創設による外国人労働者の全国的な受け入れ、彼らは都心から地方にまで幅広く定住するように…

夢を奪われる在日クルド人の子どもたち――不安定な在留資格がもたらす教育への影響――

対象とする問題の概要  本研究で対象とするクルド人は、「国を持たない最大の民族」と言われる。クルド人とは、ティグリス・ユーフラテス川上流域や山岳地帯で遊牧生活を営み、独自の言語や文化を持つ先住民族である。しかし、居住域である「クルディスタン…

屋台をとりまく社会関係の構築による場所の創出――福岡市・天神地区を事例として――

対象とする問題の概要  福岡市には100軒(2022年4月1日時点[1])の屋台が存在する。第二次世界大戦後に闇市の担い手として営業を開始した屋台は、その後減少の一途を辿っていた。しかし、現在、福岡市によって屋台は都市のにぎわいを作る装置と…

台湾原住民アミ族の舞踊――伝統の継承と創造のバランスの中で――

対象とする問題の概要  台湾には現在、政府が公認する原住民族が16族あり、それぞれに独自の言語や文化を保持している。しかしながら、原住民の文化は、外部勢力による同化政策により世代間の断絶があり、社会集団の維持や文化の継承が困難な状況にある。…

ベナン中都市における廃棄物管理システムを取り巻く価値観――日本の生ごみ資源化事業の研究動向から――

研究全体の概要  アフリカ諸国では、近年の急激な人口増加と都市化に伴い、経済発展における中小都市の重要性が高まっている。将来のさらなる人口増加に備え、アフリカ中小都市の廃棄物管理体制の整備が重要であり、ごみの資源化は有効な方策の一つである。…

「アイヌ文化」を対象とした民族展示の調査

研究全体の概要  本研究は、民族文化の表象をめぐる問題を考察していくために、博物館展示のあり方を比較しようとするものである。本調査では、日本の先住民族であるアイヌに着目し、その中心的居住地である北海道の博物館・資料館の展示を対象として「アイ…