京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート/東南アジア地域研究専攻

限界集落における移住事業者と地元住民――静岡県賀茂郡南伊豆町沿岸集落の事例――

研究全体の概要  地方では過疎化や限界集落の増加が深刻な問題となっている。そして近年、それらの問題の対策の切り札として都市から農村・漁村への移住者が注目されており、多くの地方自治体が様々な政策で移住者誘致に励んでいる。その効果もあり、またリ…

日本における「無国籍」者の生活実態 ――国籍、入管法、在留資格制度の狭間で――

研究全体の概要  本研究は、国家による保護がない「無国籍」状態の人々が、いかに無国籍となり、国家が制定する法律や制度枠組みの中でいかに生きているのかを明らかにすることを目的としている。本研究では、人口流動性の高いボルネオ島北部のブルネイにお…

世界遺産白川郷における現代相互扶助制度

研究全体の概要  近年、農村地域の都市化やグローバル化が急速に進み、相互扶助といった人々の共助は失われつつある。そもそも相互扶助という村落慣行は、世界各地の農村地域で古くから行われてきた労力交換や共同労働を指す。白川村荻町には「結」という言…

小笠原諸島におけるアオウミガメの保全と 伝統的利用の両立可能性に関する研究

研究全体の概要  アオウミガメ(Chelonia Mydas)は大洋州の多くの地域において食用として伝統的に利用されてきた(Kinan and Dalzell, 2005)。一方で、本種はワシントン条約附属書Iに記載される絶滅危惧種(EN、…

熱帯アジアの放棄養殖池におけるマングローブ再生をめぐる地域研究

研究全体の概要  世界の養殖エビの生産量は1985年からの20年間で約13倍に増加した。この背景には、日本でのクルマエビ、台湾でのウシエビの完全人工養殖の確立、そしてその技術を用い、大量のエビを高密度で養殖する集約的養殖の発展がある。この集…

分断時代の南ベトナムにおける仏教徒運動とその思想

研究全体の概要  1963年5月釈迦誕生祭にて国際仏教旗の掲揚が禁じられたことを背景に仏教徒は宗教弾圧を訴えながら宗教平等を求める一連の社会運動を起こした。仏教徒はベトナム共和国(南ベトナム)の都市で反政府運動を展開し、自分の命すら落とす焚…

日本の喫茶店とタイ北部山地のコーヒー農家の繋がりと関係性

研究全体の概要  本研究は北タイ産コーヒーに焦点をあて、その生産地であるタイ北部山地と日本で同コーヒーを取り扱う人々がどのように繋がり、関係を持ったのかインタビューを通して明らかにすることを試みた。本研究が対象とする北タイ産コーヒーは歴史が…

白川郷における観光地化と相互扶助「結」の現状

研究全体の概要  相互扶助という村落慣行は、世界各地の農村地域で古くから行われてきた。相互扶助には労力交換や共同労働といった様々な形態があるが、どのように村落社会で機能してきたのかは地域ごとに異なる。日本では近年の過疎化、高齢化とともに相互…