京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート/マレーシア

マレーシアにおけるイスラーム型ソーシャルビジネス――その社会的起業の実態と傾向――

対象とする問題の概要  本研究の対象は、東南アジアで活発化しているイスラーム型ソーシャルビジネスである。特にマレーシアに注目して研究を進める。マレーシアでは、10年程前から社会的起業への関心が高まっている。2014年には社会的起業を促進・支…

イスラーム経済におけるモラリティの理念と実践――マレーシアを事例として――

対象とする問題の概要  現代マレーシアは、1980年代以降、政府の強力なイニシアティブを背景に、イスラーム金融先進国としての道を歩んできた。一方、イスラーム経済の中での金融分野への過度な関心の集中は、イスラームの理念からの乖離として批判の対…

オンラインイスラーム市場の変容――マレーシアを事例として――

対象とする問題の概要  スマートフォンの普及により、オンライン市場が発展しているマレーシアにおいて、近年ではSNSとE-commerceを合わせたソーシャルコマースが流行している。また、そこではイスラーム的商品の販売が活発に行われており、こ…

現代マレーシアにおける資本主義とイスラーム経済のもつれあい――イスラーム型保険を事例に――

対象とする問題の概要  私が研究対象とする「タカーフル」とは、端的に言えば「イスラームの教義に則った相互扶助の仕組み」である。私たちが一般的に思い浮かべる生命保険や損害保険といった商品に近いが、ムスリム(イスラーム教徒)が利用できるように工…

ベンガル湾を跨ぐタミル系ムスリム移民のネットワーク――マレーシア・ペナン島における事例に着目して――

対象とする問題の概要  ベンガル湾沿岸地域は従来、海を跨ぐ人の移動を介して相互に繋がり合う1つの地理的空間であった。一方、近代国家体制とそれに基づく地域区分の誕生により、ベンガル湾の東西はそれぞれ東南アジアと南アジアという別の地域に分断され…

現代イスラーム世界における伝統的相互扶助制度の再興と新展開――マレーシアのワクフ制度に注目して――

対象とする問題の概要  本研究は、ワクフ制度と呼ばれるイスラーム世界独自の財産寄進制度に焦点を当て、その再興が見られるマレーシアに着目し、その実態の解明を目指す。 ワクフは、イスラーム独自の財産寄進制度であり、長きにわたりイスラーム世界の社…

イスラーム金融における「不確実性」の法的解釈――イスラーム型金融派生商品に焦点を当てて――

対象とする問題の概要  イスラーム金融では、利子と共に不確実性が禁止されている。しかし、現代の金融の一側面である金融派生商品(デリバティブ)は、リスクテイク・不確実性を伴う。そうしてみると、イスラーム金融における金融派生商品の実践にまつわる…