京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート

フィールドワーク・レポート

フィールドワーク・レポートは、附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センターが実施している「エクスプロ―ラー・プログラム」の成果です。大学院生は、このプログラムの下で、それぞれの研究対象地域において臨地研究(フィールドワーク)に従事して、地域で起きている新たな事象をみずから発見し、それを探求することによって、研究として深化させてきました。そういった知見の第一報がフィールドワーク・レポートであり、現場で得られた新鮮な感覚にあふれています。

エチオピアおける新たな舞踊文化の創造/舞踊表現と舞踊集団に関する調査研究を通して

対象とする問題の概要  本研究の調査対象はエチオピアの舞踊である。エチオピアは国内に80以上の民族集団が存在する多民族国家であり、それぞれの民族や地域において、多種多様な舞踊が継承されてきた。エチオピアの舞踊は結婚式など、コミュニティにおけ…

エチオピア・アムハラ州における健康観と医療実践に関する医療人類学的研究

対象とする問題の概要  エチオピア・アムハラ州の農村では2000年代以降、ヘルスセンターの設置や村への保健普及員の配置によって医療の選択肢が広がってきた。本研究の調査地であるアムハラ州エナミルト村には、徒歩圏内に看護師が常駐する政府のヘルス…

「外部の技術」はどのようにして地域に根付いていくのか/タンザニア都市部の零細鉄工所における実践研究

対象とする問題の概要  タンザニアの一般的な家庭では、今でも薪炭材を燃料に伝統的なかまどを用いて調理しており、都市人口の増加にともなうエネルギー消費の拡大が森林資源の荒廃を深刻化させている。それを受けて先進諸国では、効率的で節約性に優れた改…

エチオピアにおけるウマの利用 /南部諸民族州アラバ・コリトにおける牽引馬の労働と給餌の関係に着目して

対象とする問題の概要  エチオピアにはアフリカ諸国で最多の約200万頭のウマが生息しており、世界でも上位8位である。エチオピアにおいてウマが牽引馬として盛んに利用されるようになったのは、イタリア占領期(1936-1941)の頃からで、都市部…

DRコンゴ・ボノボとヒトの共生の場の人類学的研究

対象とする問題の概要  本研究の調査地であるワンバ(Wamba)周辺地域およびバリ(Mbali)地区は類人猿ボノボの生息域である。ワンバ周辺地域では1970年代からボノボの調査がはじまり、内戦時の調査中断とその後の再開を経て、現在までおよそ…

エチオピアの革靴製造業における技能の形成と分業/企業規模の変化に着目して

対象とする問題の概要  エチオピアは近年急速に経済成長を遂げている。過去10年、同国の1人当たりのGDP成長率は平均7.4%とサブサハラアフリカの平均1.4%に比べて、高い成長率を誇る。エチオピアの主要産業はコーヒーや紅茶、切り花等の農業で…

セネガル・ムリッド教団の宗教組織ダイラの多様性に関する研究

対象とする問題の概要  セネガルのイスラーム教徒のおよそ3割が属するムリッド教団は、元々農村部に基盤を置く教団であった。1940年代以降、ムリッド教団の信徒の中に都市部に移住するものがみられるようになったが、当時首都のダカールはティジャニー…

アフリカ同時代美術とその表象:コンゴ人芸術家の美術活動に着目して/アール・ポピュレールの地域的表象

対象とする問題の概要  アフリカ現代美術は,『大地の魔術師』展(89年パリ・ポンピドゥセンター)を契機として欧米のアートワールドで大きく扱われるようになった。「黒人美術」「原始美術」における「原初」性「神秘」性のみの称揚といった批判に対応し…

ケニアのカカメガ森林保護区の近隣住民による薪の調達と使用に関する研究

対象とする問題の概要  熱帯雨林は地球上の陸地面積の数パーセントを占めるに過ぎないが、二酸化炭素の吸収源として重要視されている。さらに種多様性の高さで名高く、希少な動植物が数多く生息していることでも知られている。だが近年、乱開発によって面積…