京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート

フィールドワーク・レポート

フィールドワーク・レポートは、附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センターが実施している「エクスプロ―ラー・プログラム」の成果です。大学院生は、このプログラムの下で、それぞれの研究対象地域において臨地研究(フィールドワーク)に従事して、地域で起きている新たな事象をみずから発見し、それを探求することによって、研究として深化させてきました。そういった知見の第一報がフィールドワーク・レポートであり、現場で得られた新鮮な感覚にあふれています。

ミャンマー・バゴー山地のダム移転カレン村落における 焼畑システムの変遷と生業戦略

対象とする問題の概要  ミャンマー・バゴー山地ではカレンの人々が焼畑を営んできたが、大規模ダム建設、民間企業への造林コンセッション割り当てや個人地主による土地買収などによりその土地利用は大きく変化しつつある。本研究の調査対象地であるT村も、…

タナ・トラジャの中山間地域の棚田とそれに関わる環境・文化・社会制度の研究 /棚田耕作者の生活に着目して

対象とする問題の概要  棚田とは山の斜面上や谷間の傾斜20度以上の斜面上に作られる水田のことを指す。棚田は平野が少ない中間山間地において、人々が食料を生産するために作り出した伝統的な農業形態である。しかし、棚田は一般的に耕地面積が狭い事や機…

導入品種の受容と栽培 /エチオピア南部ガモ地域におけるライコムギの事例

対象とする問題の概要  エチオピア南部ガモ地域では、約半世紀前に導入されたライコムギが、現在まで栽培・利用され続けている。同じ時期に北部地域にもライコムギが導入されたが、農家に受け入れられなかったという[Yazie 2014] 。ガモ地域に…

在タイ日本人コミュニティの分節とホスト社会との交渉/チェンマイ、シラチャ、バンコクを事例に

対象とする問題の概要  2017年現在、在タイ日本人の数は7万人を超え、これは米国、中国、豪州に次ぐ規模である 。タイでは、1980年代後半から日系企業の進出が相次ぎ、日本人駐在員が増加している。加えて1990年代以降は日本経済の低迷や生活…

社会のイスラーム化と政治の脱イスラーム化 /新設モスクにおけるイスラーム団体の覇権

対象とする問題の概要  私が対象とするインドネシアはムスリムが人口の88%を占める。1970年代以降、敬虔なムスリムが増加していると言われている。一方で、1998年の民主化以後の選挙結果を見ると、イスラーム系の得票率は増加傾向にない。むしろ…

2017年度 成果出版

2017年度のフィールドワーク・レポートを編集いたしました。PDF版公開を停止しています。ご希望の方は支援室までお問い合わせ下さい。 書名『臨地 2017』院⽣海外臨地調査報告書 発⾏者京都⼤学⼤学院アジア・アフリカ地域研究研究科附属次世代…

ミャンマーの茶園地域における持続的植生管理及び植物利用に関する研究/ミャンマー・タイ・ラオス茶園地域概査

対象とする問題の概要  ミャンマーの森林は減少・劣化の一途をたどっており、特に森林減少・劣化が激しい地域における森林保全対策の検討が喫緊の課題となっている。本研究では、下記の点に着目し、保全対策立案にむけて課題に取り組む。 1. 特に森林減…

エチオピアにおけるウマの利用 /南部諸民族州アラバ・コリトにおける牽引馬の労働と給餌の関係 に着目して

背景 エチオピアにはアフリカ諸国で最多の約200万頭のウマが生息しており、世界でも上位8位である。エチオピアにおいてウマが牽引馬として盛んに利用されるようになったのは、イタリア占領期(1936-1941)の頃からで、都市部やコーヒー栽培の盛…