京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 COSER Center for On-Site Education and Research 附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科

フィールドワーク・レポート

フィールドワーク・レポート

フィールドワーク・レポートは、附属次世代型アジア・アフリカ教育研究センターが実施している「エクスプロ―ラー・プログラム」の成果です。大学院生は、このプログラムの下で、それぞれの研究対象地域において臨地研究(フィールドワーク)に従事して、地域で起きている新たな事象をみずから発見し、それを探求することによって、研究として深化させてきました。そういった知見の第一報がフィールドワーク・レポートであり、現場で得られた新鮮な感覚にあふれています。

タンザニア半乾燥地域における混交林の形成と利用に関する生態人類学的研究

対象とする問題の概要  市場経済の影響を強く受けるようになったタンザニアの農村では、現金収入を目的とした農地開発が林の荒廃を加速させている。森林面積減少の深刻化を受け、これまでに多くの植林事業がタンザニア各地で実施されてきたが、複雑な土地利…

エチオピア地方都市における保健普及員の活動と住民の行動変容

対象とする問題の概要  アルバミンチ市は、エチオピア南西部に位置し、地方あるいは郊外から人びとが流入し、年々人口が増加している地方都市である。道路の整備や拡充、小学校から大学・専門学校までの教育施設の整備、観光地化が著しく、街が市街地へ拡大…

2022年度 成果出版

2022年度における成果として『臨地 2022』が出版されました。PDF版をご希望の方は支援室までお問い合わせください。 書名『臨地 2022』院⽣臨地調査報告書(本文,12.5MB)ISBN:978-4-905518-39-6 発⾏者京都…

ナミビア・ヒンバ社会における「伝統的」及び「近代的」装いの実態

対象とする問題の概要  本研究は、ナミビア北西部クネネ州(旧カオコランド)に居住するヒンバ社会の「伝統的」及び「近代的」装いを記述するものである。ヒンバはナミビアの代表的な民族であり、しばしば美化されたアフリカのアイコンとして描かれる。腰に…

ケニア沿岸部における少数民族ワアタの現状――ゾウの狩猟と保全のはざまで――

対象とする問題の概要  ケニア沿岸地域には、元狩猟採集民の少数民族ワアタが点在して居住している。彼らはエチオピア南部のオロモ社会を起源とするクシ語系の民族で、ケニア沿岸地域の先住民族だと言われている。彼らは狩猟採集民であったため、野生動物の…

高齢者の暮らしに埋め込まれた農業と景観の再生産の関係に関する人類学的研究

対象とする問題の概要  徳島県三好市旧東祖谷山村は中央構造線の南側に位置する日本有数の地すべり地帯であり、大規模な山腹崩壊後の斜面に集落が形成された。近世以降は傾斜地での常畑耕作による葉たばこ・茶・養蚕等の換金作物生産がなされていた。とくに…

エチオピアにおける音楽実践と生活世界にかんする地域研究

対象とする問題の概要  エチオピア西南部の高地に暮らすアリの人びとは、地域内で自生・栽培されているタケをもちいて気鳴楽器を製作し、共同労働や冠婚葬祭においてそれらを演奏している。近代学校教育やプロテスタントの浸透によって、慣習的な共同労働や…

セントラル・カラハリ・サンの子ども社会への近代教育の影響――ノンフォーマル教育の事例から――

対象とする問題の概要  1977年より、ボツワナ政府は、民主主義、発展、自立、統一を教育理念に掲げてきた。1970年代中頃まで狩猟採集を生活の基盤としていたサンの社会は、政府の定住化政策によって、管理、教育、訓練の対象となってきた。こうした…

ウズベキスタンと地域安全保障

対象とする問題の概要  本研究では現代中央アジアの安全保障環境の変化を明らかにするため、独自の外交政策を展開し、バランス外交を展開してきたウズベキスタンを軸とした国際関係を分析する。 中央アジアの安全保障を考えるにあたって、米国・中国・ロシ…

人間活動に関わる外来生物種の移入状況―マダガスカル共和国・アンカラファンツィカ国立公園の事例―

対象とする問題の概要  人間活動のグローバル化に伴う生物種の世界的な移動はもはや日常化している今日、外来生物の移入や生態、利用状況を科学的に捉え、真に必要で有効な環境保全あるいは保護のありかたを再考することが必要とされている。 家畜化・栽培…